精神の記述に、因果ではなく論理が適する理由

大乗仏教の「空即是色、色即是空」とは、「空とはすなわち色であり、色とはすなわち空である」と言っているわけだが、空とは表れとしての色の ”前” に存在するものであるから、色は空ではないのだが、”前” という言葉に非常に違和感を感じるのはなぜか? 前…

ハンドルしかない車を運転すること

私という意識が何をやりたいと思っても、それは無意識のニーズに見合っていなければならない。私の理解では、意識の役割の一部とは、無意識に対しての提案、そのお伺いを立てる、というものだ。 これは、アクセルペダルもブレーキペダルもない運転席のような…

単位がズレてると、物事は解決しない。

予備学習(予習)による "生産的失敗" により、本学習の定着率が劇的に上昇して「敵を倒すのに必要な知識」と「今の自分の知識」のギャップが把握される 本学習の目的は、「正しいプロセス」ではなく「正しいプロセスと自分のプロセス」との "ギャップの正体" …

「過去最多の不登校児」と「調教の極意」

貧困で教育格差がとか叫ばれている。 その一方で、勉強しようと思えばYoutubeに死ぬほどわかりやすく有益な動画がいくらでも転がっている。 私は、ここ一年以上、もっぱら英語学習にコミットしているのだが、英語学習マーケットの規模が大きいこともあろうが…

親ガチャ信仰が孕む逆説的矛盾

頭の良し悪しだが、遺伝的要素の影響は間違いなくある。あるのだが、少なくとも実生活レベル(ロジカルタイプの下層)では、後天的学習、つまり獲得形質によるものの影響の方が大きく その獲得形質の種類は「効果的(良質な)思考パターンの入力とそれら同士…

多元的原子論が小乗仏教の世界観である必要性とは?

大乗仏教を基本とするチベット密教の伝道者による著書『タントラの道』を読んでいる。タントラとは金剛の意味だそうで、 ①小乗仏教(出家的で利己的) ②大乗仏教(在家的で利他的) ③金剛仏教(実践的) 仏教徒の修行はこの順序で進めるべきと著者は語る。こ…

因果律への懐疑と理知と情感知の相補性

A ボールを蹴った B ボールが飛んでいった 「ボールを蹴ったこと」と「ボールが飛んでいったこと」の間には、常識的には因果関係があり「AならばB」である。 しかし、「なぜAならばBであるのか?」という”客観的”な根拠は実際にはどこにもなく、これを数学的…

人は表現するために生きている、だが

客体になりえない究極の主体を主体的に表現したいエゴが、最終的に八方塞がりになり、それでもそれを表現したい渇望が湧き上がるとき、それは、服従への欲求、受動的態度への主体性、サレンダー(surrender)を求め始める。 人には服従を求める心、服従によ…

聖域としての観測限界

この図は、このエッセイの因果律による意味論的な実存解体の推移を4つに区分けして図示したものである。 something-as-nothing.hatenablog.jp ・右側の客観的な領域は理知の知(理性)が支配し ・左側の主観的な領域は情感の知(感情)が支配し ているというコン…

死の扉を開けるのではなく、死が彼の扉を開けるような死

「汝自身を知ること」と「死語についてどう捉えるか」は密接に連関している。 特異点の先にあるブラックホールの中心と、私が私を見るときの私の死のアナロジーにおいて、それらを”客観性”において存在が肯定できなくなる時、つまり、客観的な消滅と死を迎え…

AIと藤井聡太

過去に、農業革命、産業革命が起こり、2023年、Chat-gptにより、知業革命が起こる。人間なければできないと思われていた知的作業が続々とAIに仕事を奪われていく。 一流の技術を持つトップ層のみが生き残り、中間層は職を失う、というのがもっぱらの世論だ。…

清浄ではない目的で秘匿すると腐る

刑務所、警察、学校、政治、宗教組織、報道機関等々、淀んで見通しの良くない組織はいくらでも思いつくが、これら組織の流動性が向上し、その清浄さが保たれることは皆が願うところではある。 ではあるのだが、なぜそのように淀んでくるのかというと、それは…

固執すると問題となるが、否定すると立ち行かなくなる

YoutubeのAmeba TVで ・競争力を維持し、パフォーマンスとそれに見合った報酬の得られるような流動性を重視するアメリカ的価値観か ・パフォーマンスが低くとも雇用の維持される安定感を重視する日本の価値観か といった、二項対立的にコメンテーターの夏野…