単位がズレてると、物事は解決しない。

予備学習(予習)による "生産的失敗" により、本学習の定着率が劇的に上昇して「敵を倒すのに必要な知識」と「今の自分の知識」のギャップが把握される

 

本学習の目的は、「正しいプロセス」ではなく「正しいプロセスと自分のプロセス」との "ギャップの正体" を見極めることで、その探究行為を復習と呼ぶ。

 

この話の例として、先ほど受験数学のノウハウ抜きで、この整数問題を自力で解こうと私は挑戦した。

 

 

■問題 整数問題の解法(2006年京大前期理系)

2以上の自然数nに対し、nとn^2+2がともに素数となるのはn=3の場合に限ることを示せ

https://youtu.be/ejaX45IgUj8

 

私の回答の方針は、

P(n)=[n^2+2]とした時

n5以上の素数の時、P(n)は3で割り切れることに数え上げて気づいたので、[3 x (    )] の式変形を目指し、任意の素数

Q(k)=[2k+1](kQ(k)素数を取りうるような自然数)

として

P(n)に代入したが[3 x (    )] の形最終的に式変形できず撃沈した。

 

 

これが生産的失敗にあたるものであるが、本学習の回答は、全ての自然数

3k 3k+1 3k+2

に分類し、最終的に

[3 x (    )]

の式変形を導いた

 

しかし、なぜ

[n=2k+1]

と定義すると

[n^2+1]において[3 x (    )]

の形に変形できないのか?

 

[2k+1]も[3k+1]も、自然数の分類の仕方の違いにすぎず、変形自体はできるはずではないか?

 

このような問いから復習した時、これは前者と後者で論理階型(ロジカルタイプ)が異なることに気づく。つまり、当たり前の話だが、

[n=2k+1] は2進数的分類

[n=3k+1]は3進数的分類

ということだ。

 

そして、問題の条件式は、出題者により3進数的分類で作成されている

 

・3進数は[3つごとにメモリを付した事柄]

・2進数は[2つごとにメモリを付した事柄]

 

であるから、前者を後者で数学的に割ろうとすると、両者のメモリがピッタリ一致しなくなるだろう。

片方は[cm]の単位

片方は[inch]の単位

を使ってるようなものだ。

 

どちらかの単位にどちらかが合わせない限り、もしくは双方が妥協して共通の単位を用いない限り、問題条件の "自然数の範囲において" が満たされないわけである。

 

======補足=======

冒頭の学習プロセスの分析に関して、こちらが別の切り口から解説していて参考になった。引用元 : https://youtu.be/y5P2FEMoK64

 

このインフルエンサーを目の敵にして毛嫌いしている人たちが結構多い気がするが、有用な内容は、誰が発信したとしても有用であることには変わりない。

 

凡人は「何をいうかよりも、誰がいうか」に耳を傾けるが、賢人は「誰がいうかよりも、何を言うか」に耳を傾けるものだ、というのは誰が言った言葉というわけでもないが、そういえば哲学者のショーペンハウエルは「凡人でもたまには耳を傾けるに値するようなことを話す時がある」と言っていた。