単位がズレてると、物事は解決しない。
予備学習(予習)による "生産的失敗" により、本学習の定着率が劇的に上昇して「敵を倒すのに必要な知識」と「今の自分の知識」のギャップが把握される
本学習の目的は、「正しいプロセス」ではなく「正しいプロセスと自分のプロセス」との "ギャップの正体" を見極めることで、その探究行為を復習と呼ぶ。
この話の例として、先ほど受験数学のノウハウ抜きで、この整数問題を自力で解こうと私は挑戦した。
■問題 整数問題の解法(2006年京大前期理系)
2以上の自然数nに対し、nとn^2+2がともに素数となるのはn=3の場合に限ることを示せ
私の回答の方針は、
・P(n)=[n^2+2]とした時
nが5以上の素数の時、P(n)は3で割り切れることに数え上げて気づいたので、[3 x ( )] の式変形を目指し、任意の素数を
Q(k)=[2k+1](kはQ(k)が素数を取りうるような自然数)
として
P(n)に代入したが[3 x ( )] の形最終的に式変形できず撃沈した。
これが生産的失敗にあたるものであるが、本学習の回答は、全ての自然数を
3k 3k+1 3k+2
に分類し、最終的に
[3 x ( )]
の式変形を導いた
しかし、なぜ
[n=2k+1]
と定義すると
[n^2+1]において[3 x ( )]
の形に変形できないのか?
[2k+1]も[3k+1]も、自然数の分類の仕方の違いにすぎず、変形自体はできるはずではないか?
このような問いから ”復習”した時、これは前者と後者で論理階型(ロジカルタイプ)が異なることに気づく。つまり、当たり前の話だが、
[n=2k+1] は2進数的分類
[n=3k+1]は3進数的分類
ということだ。
そして、問題の条件式は、出題者により3進数的分類で作成されている
・3進数は[3つごとにメモリを付した事柄]
・2進数は[2つごとにメモリを付した事柄]
であるから、前者を後者で数学的に割ろうとすると、両者のメモリがピッタリ一致しなくなるだろう。
片方は[cm]の単位
片方は[inch]の単位
を使ってるようなものだ。
どちらかの単位にどちらかが合わせない限り、もしくは双方が妥協して共通の単位を用いない限り、問題条件の "自然数の範囲において" が満たされないわけである。
======補足=======
冒頭の学習プロセスの分析に関して、こちらが別の切り口から解説していて参考になった。引用元 : https://youtu.be/y5P2FEMoK64
このインフルエンサーを目の敵にして毛嫌いしている人たちが結構多い気がするが、有用な内容は、誰が発信したとしても有用であることには変わりない。
凡人は「何をいうかよりも、誰がいうか」に耳を傾けるが、賢人は「誰がいうかよりも、何を言うか」に耳を傾けるものだ、というのは誰が言った言葉というわけでもないが、そういえば哲学者のショーペンハウエルは「凡人でもたまには耳を傾けるに値するようなことを話す時がある」と言っていた。